大腸がんの検査
大腸がんを含めたお腹の中の病気は様々な検査で発見することができます。まずは、腹部触診といって、医師が直接お腹を触ってしこりや痛みがないかどうか見ます。それから、肛門から指を入れて、直腸の内部の状態を確認する直腸指診がありますが、この二つは最も基本的な診察です。
直腸指診は、診察を受ける側は恥ずかしく、抵抗があるかもしれませんが、直腸は大腸の中で最もがんが発生しやすい場所でもあるので、ないがしろにできないものです。次に、注腸X線造影検査という方法があり、バリウムとX線を使って大腸全体を調べます。
肛門からバリウムを注入して、空気を入れることで大腸を広げ、X線で撮影するという内容で、これによって上行結腸など、触診ではとても届かない場所の異常が分かるようになりました。ただし、便が残っていると、腫瘍と区別がつけ辛いため、いかに便を残さないかが、検査のポイントになります。
それから現在、最も効果があり、開発が進んでいるといわれているのが、内視鏡検査です。
ファイバースコープと呼ばれる細いチューブのような機械の先端に、超小型のカメラとライトを搭載した内視鏡を、肛門から挿入し、内部の情報をモニターで確認する事ができます。
これにより、長い大腸の全体を直接見ることができ、早期の腫瘍であれば、手術も可能です。さらに、この技術は今も進化を続けており、カプセルタイプの内視鏡が開発され、欧米ではすでに実用化されています。
これにより、検査を受ける側は、カプセルを飲むだけで、大腸だけでなく、消化器全体の様子を撮影・記録して、8時間後には体の外に排出されるというもので、日本でも実用化は目前になっています。
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