大腸がんの予防
ここまで大腸がんの原因として様々なものをあげてきましたが、私達ができる最も身近で、そして効果的な予防方法は、定期検査を受けることと、もう一つは適度な運動と食生活です。どうやら、この食生活を整えるということは、大腸がんに限らず、ありとあらゆる病的から私達を守るために、欠かせないプロセスの1つのようです。
大腸がんと食事
大腸がんと普段の食事は密接な関係にあり、今日に至るまで、食物が大腸に与える影響が研究によって次々に明確に判明しているのです。それによると、大腸に関しては、野菜や果物といった植物は、ほぼ確実に大腸がんのリスクを低下させる因子であり、反対に、肉類、アルコール、または卵や砂糖類はリスクを上げるというもので、これは世界的に有名な大学であったり、研究機関の発表だったり、とても信頼性のある結果だといえます。つまり簡単に言うと、野菜中心の食生活の人は大腸がんになりにくく、肉類やアルコール摂取量の多い人は大腸がんになりやすいということです。
この結果は、国の食文化レベルでも証明されており、例えば、10~20年を基準とした、ハワイに移住した日本人、ヨーロッパに移住したポーランド人などが、生まれた国で過ごしている人に比べて、3倍以上の確立で大腸がんが発見されたというのです。つまり、脂肪分の多いものや肉類をあまり食べない国から、摂取の多い食文化の国へ移り住むと、大腸がんのリスクが上がるということになります。
この結果が全てではありませんが、野菜を多くとって肉類やアルコールの摂取を控える事は、大腸がんの予防として非常に効果的なことだと思いませんか?
大腸がんと運動・肥満
また大腸がんは、運動不足や肥満にも関係しているといわれています。肥満に関していえば、大腸がんだけではなく、子宮がんや乳がん、それに肝臓がんに対しても、危険因子であるといいます。その原因は良く分かっていませんが、体形のことではなく、カロリーの摂取と消費のバランスが大きく関わっているとのです。ですから、見た目的にはそこまで太っていなくても体脂肪率が高い「隠れ肥満」の方も大腸がんの注意が必要です。そして運動ですが、これは確実に大腸がんのリスクを下げる事のできる、効果的なもので、適度な運動をしている人とそうでない人の差はかなり大きいといわれています。
運動といっても決して激しいものではなく、例えば一日イスに座りっぱなしの仕事で、後は寝るだけの生活を避け、家事や掃除、散歩などのちょっとした運動でよいのです。
毎日続ける事が一番大切です。また、喫煙に関しても、確実にリスクをあげる因子であり、こちらも控えなければ、肺がんや食道がんにもなりかねないものです。もちろん、このような生活を心がけていても大腸がんにかかってしまう場合もあります。
そうなったときのために、医学の進歩はあるべきで、こういった日々の積み重ねによる予防は、誰にでも簡単にできることであるはずです。しかしそうは言っても、仕事で忙しい毎日に手ごろに手に入るため、分かっていてもついつい手が出てしまうインスタントフードやジャンクフード、周りの付き合いなどで本当は飲みたくなくても飲まなくてはいけないアルコールなど、誘惑や弊害になるうる要因にあふれた現代社会で、なかなか動けない人も大勢いらっしゃるでしょう。
そんな人たちが、このサイトを見て、一歩前に踏み出す気持ちになってくれたなら、こんなにうれしい事はありません。
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